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第 16 回(2013年)

入賞作品

学校賞

審査講評

入賞作品

最優秀賞

一面の菜の花畑を焼きつけたわたしのまぶたをあなたにあげる 山中 佳織 (奈良県)

優秀賞

さしのべて手が触れたなら感電死するかも夏の輝きの中 中野 巧視 (和歌山県)
好きな色、青と言うときその胸にひろがる空を海を知りたい 菅 恵子 (埼玉県)
ポキポキと日傘の骨を折りており突き放さるる恋の予感に 末廣 照子 (千葉県)

秀逸

白衣ぬぎ工場に君が足洗うころあいに射す都会の夕日 清水 篤 (群馬県)
恋という三つ編みほどき空の下若葉のように君を見ていた 尾崎 莉沙 (福井県)
初雪が六番ホームに降った時五番ホームの君をみつける 渡辺 華子 (新潟県)
君のいないブランコ一人でこいでみた錆びた音だけ心に響く 猪浦 友生 (新潟県)
一人きりプラネタリウムで見た星が今は二人の夜空に広がる 日野 翔斗 (群馬県)
喧嘩終え一人眺めた夕焼けはなんてまぶしい暗闇だろう 山口 康介 (大阪府)
恋人が短歌男子と知ればもう小野小町になりきってみる 小野田 奈緒 (静岡県)
これっきりかもしれないね私たち遊泳禁止の海を見てよう 渋沢 綾乃 (神奈川県)
恋なんて関係ねぇという顔でコロンの香りハタチの息子 田上 幸子 (北海道)
しあわせのしの字のような胡瓜もぎ今日は甘めのピクルス作ろう 忽滑谷 三枝子 (群馬県)

佳作

春の日に遠ざかってく君の声あの日以来桜は散らない 林 司 (静岡県)
二人乗り君の背中のぬくもりに無言が続く桜散る道 東 美優 (和歌山県)
向こうから歩いてくるかも知れぬからこの道だけは百合の姿で 石川 麻紀 (東京都)
輝ける世界の全ては我の手に右手にサイダー左手に君 市川 潤 (岐阜県)
君と僕音痴だったりハモったり二人がそろえば不思議なメロディー 中山 裕理 (東京都)
毛虫焼く女となって農継ぐと淋しく言った君が恋しい 北村 純一 (神奈川県)
好きな人陽炎稲妻水の月手に届きそうで届かないもの 目黒 紀 (和歌山県)
ラズベリー酸味の中に甘さありほほえむ君とよく似ているね 福山 綾乃 (埼玉県)
足音が聞こえるたびに振り向いたそこには黄色い蝶が飛んでいた 佐々木 文香 (大阪府)
蛍だ、と駆け寄る君の目に映る淡い光をそっと見つめる 押野 夏実 (福井県)
地下道の向こうに見える夕燒にゆっくり近づくあなたに近づく 髙橋 美枝子 (宮城県)
ルビー色のコートを着れば浮かびくるこの肩幅を抱きし人あり 西岡 徳江 (アメリカ)
わたしのこと思い出せなくなるほどに幸せになれ恋文の灰 武田 明子 (兵庫県)
廃校の壁に落書きしたようなサヨナラだった初恋だった 田中 馨子 (青森県)
生え際を優しく冷やすあの冬の君は私の初雪だった 鈴木 晴香 (岐阜県)

入選

青空は昨日の色して座椅子にもティーカップにも君のいた跡 森口 かな江 (福井県)
暗号を解けば渡してくれますか君の心のあやうい鍵を 古賀 由美子 (岐阜県)
ゴビ砂漠にて働く君へ電話して邯鄲(かんたん)の音を聞かせけるかも 佐藤 まい (岐阜県)
「好きです」が喉に詰まったままなのです甘いジュースで流してしまおう 佐々木 未来 (神奈川県)
届かない花に向かって登ってる小さな蟻がわたしのようで 塚田 容子 (茨城県)
君の傘奪っておけば良かったか三十年前時雨の街角 田名瀬 新太郎 (静岡県)
大縄のリズム刻めど入れないあなたの会話に跳び込めジャンプ 飛山 一枝 (福井県)
夫の手でショートカットになりし髪秋風やさしく項なでゆく  熊﨑 てる子 (岐阜県)
大縄のリズム刻めど入れないあなたの会話に跳び込めジャンプ 飛山 一枝 (福井県)
夫の手でショートカットになりし髪秋風やさしく項なでゆく 熊﨑 てる子 (岐阜県)
君が来なくて本を一冊読み終えるラブストーリーになんてしなきゃよかった 上野潤子 (福岡県)
借りし本そっとページをめくりをり君の指先感じるやうに 佐藤 美弥子 (福島県)
靴ばこに紙が一枚入れられてきれいな字で「木の下に来てね」 西村 公幸 (広島県)
夏の午後もらったサンダルぴったりでシンデレラより幸せなんだ 岡田 憂海 (青森県)
泣いている君の頭をなでている無人の駅に響く雨音 栗塚 光希 (福井県)
「好きです」と手紙に書いて渡すとき口で言えよと風の悪戯 小石川 拓海 (宮城県)
バス停に霜柱鳴らし駆けてくる君の足音聞きわける胸 中下 重美 (兵庫県)
今はまだお金が無いからあなたへのダイヤモンドの代わりにカナブン 伊敷 徳師 (沖縄県)
消しゴムを忘れてしまう僕がいて消しゴムを貸す君がいるんだ 佐山 晃亮 (宮城県)
夕暮れの駅のホームで目をとじる恋をしてたわたしはいない 川野部 由佳 (東京都)
クッキーを作ってきたと手渡されひらいてみたらオレよりヘタだ 伊東 大輝 (山形県)
もっともっと泣けばよかったのだろうか積もらぬ雪がわが裡(うち)にふる 利光 弘子 (大分県)
届かぬと知っているけど追いかける私は恋する葦なのである 米盛 海都 (沖縄県)
廊下にいる君が鏡に映ってる触れるとひんやりさみしさ募る 座波 千鶴 (沖縄県)
二月の女のチョコは凶器にもなりうるのです君が好きです 玉田 佳穗 (福岡県)
湯布院の絶叫大会山揺らし好きよ好きよの谺(こだま)返り来 古賀 一弘 (東京都)
飽和してコップの底に残るのは甘すぎて重い私の心 富澤 奈緒 (東京都)
まるで詩のような鎖骨にふれながら愛を疑うことだってある 合志 珠希 (神奈川県)
一口のビールで子猫になる君を早く見たくて夕焼けの駅 奥原 剛 (東京都)
父母の結婚前の古写真恥ずかしいほど恋が漂う 叶 昌彦 (宮城県)
主人公同士に生まれべつべつのものがたり生きるしかない、なんて 山中 千瀬 (東京都)
口紅を慎重にぬるスカートを慎重に穿くあのひとを待つ 胡薇薇 (中国)

学校賞

最優秀学校賞

福井県立武生商業高等学校

優秀学校賞

東京学館新潟高等学校

学校奨励賞

和歌山県立有田中央高等学校清水分校

明浄学院高等学校

高崎商科大学附属高等学校

審査講評

最優秀賞・優秀賞 松平審査員長講評

秀逸その1 松平盟子審査員長講評

秀逸その2 松平盟子審査員長講評

佳作 香川ヒサ副審査員長講評

入選 紺野万里審査員講評

 

学校賞 松平審査員長講評