越前市は北陸地方・福井県のほぼ中央に位置し、山々の緑や清流などの美しい自然に恵まれた心なごむ地方都市です。
奈良・平安時代には越前国府がおかれ、日本海側の中心地として栄えたこともあり、 歴史の深い重厚な文化を市内のいたるところで感じることができます。
その一つに市の東部に位置する味真野地区があります。
味真野は緑ゆたかな田園風景が広がるのどかな地域で、万葉集 巻15に載る相聞歌の舞台となった場所です。
相聞歌とは、男女・親子・兄弟姉妹・友人などの親しい間柄で贈答された歌のことですが、万葉集の相聞歌のほとんどのものが男女の恋の歌です。
恋慕う想いを言葉で表現するところは、まさしく現代のLove Lettter
といえます。
巻15に収められている63首の相聞歌は中臣朝臣宅守(なかとみのあそみやかもり)
と狭野弟上娘子(さののおとがみのおとめ) のものです。
味真野にて娘子を想う宅守、、、、、都にて宅守を想う娘子。
離れ離れの2人は、互いに相手を想い63首ものLove Letter を交しました。
1200
年以上の時を越えても2人の燃えるような恋の歌は、新鮮で大きな感動を与えてくれています。
万葉の里 味真野苑には美しい日本庭園が広がり、四季を通して色とりどりの花が咲き乱れています。 自然の音色に耳をすませ、そぞろ歩きしながら森林浴を楽しむこともできます。 苑内には比翼の丘と名づけられた2つの丘があり、それぞれ丘の上には遠く離れ互いを想い合う二人の情景が浮 かびあがってくるように歌碑が建っています。
苑の西ゾーンには 娘子と宅守の歌や越前市とゆかりの万葉集の秀歌について学べる資料館『万葉館』があります。 6つのテーマに分けて工夫をこらした展示があり、様々な角度から万葉の歌の世界を味わうことができます。 越前和紙で作られた万葉歌人の人形は、ボタンを押すと歌が聞けるようになっていて、目だけではなく耳で聞いて、 より一層古代の情感に触れることができます。
万葉のロマンに思いを馳せた後は、「あなたを想う恋のうた」の入賞作品にて現代の恋の歌にふれ、時代を超え
た恋慕う感情をダイナミックに感じてください。
お越しを心よりお待ちしております。
〒915-0031 福井県越前市余川町55-1
TEL/FAX 0778-27-2204
【開館時間】 9:00 ~ 16:30
【 休館日 】 毎週月曜日(祝日除く)、祝日の翌日、年末年始
【 入館料 】 無料