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第 21 回(2018年)

入賞作品

学校賞

審査講評

入賞作品

最優秀賞

君と行く全ての場所が思い出に変わる例えば自転車置場 土居 健悟 (愛知県)

優秀賞

コーヒーより紅茶を選ぶようになり透き通ってる恋をしている 柴田 麻衣 (宮崎県)
好きならば告白しちゃえホトトギス教科書の中励ます信長 玉村 古都 (福井県)
花びらのように金魚は掬われて君の瞳を独り占めする 水谷 あづさ (奈良県)

秀逸

畳めない相合傘の思い出の町をなぞれば又雪便り 松川 幸江 (埼玉県)
長靴の片方がもう片方にもたれて私はあなたと暮らす 小林 さおり (神奈川県)
淋しさはさよならじゃなくそのあとの私の中の夕焼けにある 河野 友希 (福岡県)
両の手の上にわが手を重ねいて包む蛍のみどりの命 菅 伸明 (愛媛県)
「レモンには酸味に隠した誠実な愛がある」とか呟いてみる 山田 みほ (福井県)
書道部の私の線はかすれてる恋だってそう、うまく書けない 川島 百花 (新潟県)
母さんが迎えに来る迄二十分ベンチの二人になれる十月 阿部 楓羽響 (新潟県)
急行のごうと轟くその傍で「好きだ」ときみの口が動いた 中野 薫 (神奈川県)
鴨川に等間隔に並ぶ恋当日席はもうないですか 榎本 明 (大阪府)
液体のりを出しすぎたんだ封筒がベタベタなんだキミに会いたい 石井 ちかえ (静岡県)

佳作

簡単に心の垣根を越えてきて光源氏は教室(ここ)にも居たり 平松 綾子 (岡山県)
コンビニの角を出てくる君を待つ開き始めた桜が二輪 太田 陽奈美 (長野県)
下校する街に鉄塔見える場所古びた街を君と歩こう 池田 司 (新潟県)
初恋の味が甘くてピンクなら私のこれは恋じゃないんだ 星野 光咲 (新潟県)
いつもより甘めに入れたカフェオーレそっと差し出し休戦を乞う 藤田 毅 (滋賀県)
お帰りと静かな声で言うように雨の降りだすあなたの故郷 西島 千尋 (静岡県)
ポケットに病後の妻の細き指からませ巡る雪祭りの夜 矢田 寛 (岡山県)
墨を摺る反復さえもいとおしくあなたを想う恋文ひとつ 中村 成吾 (神奈川県)
勝負だよくしっと笑う線香花火僕の心が先に落ちるよ 髙嶋 純矢 (兵庫県)
君のこと色んな方から見ているよこれはほぼもう富嶽百景 堀 眞希 (広島県)
ゆったりと今の時間を泳ぎゆくジンベイザメを君と見ている 山田 由美子 (愛知県)
君の前プレパラートにのせられたミジンコみたいにむきだしの恋 原田 優美子 (石川県)
くれなゐの枝差し交はす山もみぢ君の告白受けし峠路 杉崎 康代 (福井県)
図書室の君の席まで背表紙は一途につづく銀河となりぬ 佐藤 美弥子 (福島県)
我が朱きじゅばんの袂ひるがえし左義長太鼓を叩く君が居た 日下 正枝 (福井県)

入選

博物館君と並んで見た化石伝えずに来た想いに似てる 青木 菜摘 (静岡県)
交差点信号全て青信号会いに行きなと押された背中 今井 咲貴 (広島県)
ひまわりの影に隠れる恋心私の想いは陽にも勝るのに 佐藤 琉花 (広島県)
街灯が世界を二人きりにする友達のまま帰りたくない 大嶋 葵 (大阪府)
砂時計最後の砂が落ちるまで太陽みたいな笑顔を見せて 外川 桃寧 (北海道)
君が去るその数秒後風が吹くどこからか来た寂しさの波 高森 奈央 (北海道)
白き息君と夜空を見上げてはオリオンよりも君が眩しい 金内 ゆか里 (北海道)
「つめたい」のペットボトルを持つ指を見るだけだった初恋だった 金治 加純 (石川県)
ありったけ君への想い弾丸に詰め込んだからあとは撃つだけ 東 美里 (石川県)
どんな時もあなたの声を聞いたなら私の元気は充電される 鈴木 怜菜 (愛知県)
降る雪が天から届く手紙ならとけずに積もれ君の手の平 柘野 茂樹 (神奈川県)
数えれば三万余日を生きてなお君への恋はいまだ変わらず 岡 恵子 (秋田県)
睡蓮の桃色の花開く様に君に微笑みかけてみようか 田中 亜紀子 (三重県)
「あ、花火」電話越しに君が言う僕にもそれが見えた気がした 居川 ひとみ (広島県)
変化球みたいな恋は似合わない宣言します全球直球 宇野 開登 (福井県)
波音に隠して伝えるくらいなら想いを海に流せばいいのに 榎 真凛 (福井県)
帰り道夕陽に君が溶けそうで慌てて君の手を握る僕 小林 侑帆 (鹿児島県)
水たまり反射する君を見つめてた水たまりの中は君だけの街 小林 梨花 (新潟県)
消しゴムで書いた君へのメッセージ反射している窓側の席 笹川 珠奈 (新潟県)
母さんの恋愛話を聞いた後夕食メニュー一つ増えてた 古谷 真紘 (新潟県)
何気無く「一緒に帰る?」と言う声で晴れ間が見えた雨の玄関 土田 一馬 (新潟県)
受験には君の小さな消しゴムが味方になって筆箱に居る 小林 諒太朗 (新潟県)
この恋は平均台の着地よりむずかしいかも練習できず 細川 万柚子 (岐阜県)
台風はあなたに似ている大雨はあなたに似ている逃げられない私 野本 真吾 (長野県)
私たち出会った頃の距離のまま口づけをした月に内緒で 近藤 珠理 (京都府)
甘党の私が好きになったのはカカオ九割ビターなあいつ 大浦 美佑 (福井県)
恋短歌面倒くさいと言いながら一限授業いつしか無言 久我 かおる (新潟県)
つらい痛いきつい寂しい全ワード足しても足りない独りにしないで 内田 萠 (東京都)

学校賞

最優秀学校賞

東京学館新潟高等学校

優秀学校賞

福井県立武生商業高等学校

学校奨励賞

福山市立福山高等学校

北海道別海高等学校

千葉県立富里高等学校

審査講評

最優秀賞・優秀賞 松平審査員長講評

秀逸 松平盟子審査員長講評

佳作 香川ヒサ副審査員長講評

入選その1 松村正直審査員講評

入選その2 紺野万里審査員講評

学校賞 松平審査員長講評

入賞作品発表会