君となら一緒に農業できるはず運転しよう恋のトラクター | 小西 健斗 (兵庫県) |
農の手も夕べに踊る手となりて初恋の君輪に見つけたり | 北村 純一 (神奈川県) |
僕が持つ避雷針へと落ちてきたたった一つの雷きみは | 佐野 呂尚 (静岡県) |
カメラには収めぬ一日があふれ出すあなたの漕いだボートの半券 | 田宮 智美 (宮城県) |
編笠で踊るあなたを編笠の中から見ていたあれが初恋 | 中沖 正之 (富山県) |
元気でな携帯越しの君の声せみの声が遠くで聞こえた | 佐飛 みずき (福井県) |
君へ眼を伏せすれちがふ通学路「学徒出陣」われに迫りき | 久米 新吉 (青森県) |
あなたにも篠突く雨を降らせたいいつもわたしを一人待たせて | 小島 麻 (埼玉県) |
ボールしか握らなかった二年半次はあなたの手を握ります | 伊藤 太陽 (岐阜県) |
砂浜ではぐれた君を探したら夕日が君を照らしてくれた | 岡嶋 巧 (神奈川県) |
切り出せない言葉が溶けてサイダーの泡ふえていく好き。好き。好き。 | 榮本 愛子 (東京都) |
一本を狙うその瞳が私をいぬく竹刀の音はもう聞こえない | 菅根 奈々子 (千葉県) |
イヤホンを分けてきいてるあの曲を僕の鼓動が消してた金曜 | 佐久間 悠太 (新潟県) |
読むならと君に手渡す文庫本シロツメクサでちょっとふくらむ | 叶 昌彦 (宮城県) |
棒編みする妻の後ろの硝子戸に俺も写りてゐる秋の夜 | 中山 大三 (福井県) |
月光をあつめて道にしきつめる君が迷わず来られるように | 佐藤 美弥子 (福島県) |
桜色ワンピースを着てでかけよう君の瞳に春を届けに | 濱田 里奈 (東京都) |
こんなにも口説くチャンスをあげている「スーパームーンらしいよ、今夜は」 | 道脇 萌 (東京都) |
照れながら二人で歩いた細道を見るたびそこは赤い夕ぐれ | 織田 瑞生 (富山県) |
捕まえて籠に入れたい青い鳥けれど羽ばたく貴方が好きで | 石川 麻紀 (東京都) |
一音も鳴らさぬままに閉じられたピアノのように君を待つ夜 | 飯坂 友紀子 (東京都) |
サンダルの日焼けのあとがきえるまでくりかえし思う君と見た海 | 高野 美明 (東京都) |
水鏡何度ものぞいてあなた待つアメンボはねてキラキラ光る | 瀬戸 桃花 (福井県) |
小手毬の四方にしだれて揺るる道この道行きて逢ひし日もあり | 斎藤 洋子 (千葉県) |
追うだけのあなたと思う見上げればわたしを照らすひとつ夏椿 | 江口 美由紀 (愛知県) |
初雪をあっと見上げてあなたとの小さないさかい有耶無耶になる | 村田 一広 (山梨県) |
ひとり来てミラノの深き霧のなか共に来し日の亡き妻に逢う | 石井 博幸 (福岡県) |
悩み抜き白紙で飛ばしたラブレター飛行機雲を夏空に描く | 水野 有稀 (宮城県) |
雪うさぎ作ってはしゃぐ君の手が南天よりも赤かったから | 譽田 真央 (広島県) |
この空がずうっと続くキルギスで働くきみに今日もスカイプ | 松尾 礼子 (千葉県) |
この僕のジャンプサーブ程の愛をきれいにレシーブして下さい | 金城 元太朗 (沖縄県) |
子供たちすまんが君らは二番目だ父の一番母さんだもん | 安田 貴喜 (岐阜県) |
言っとくけど微熱は夏のせいじゃないおデコのその手早くどかして | 古賀 由美子 (佐賀県) |
薬局の洗剤売り場の香り見本あなたと同じ匂い探して | 白井 優香 (埼玉県) |
守られるだけのヒロインなんて嫌ヒーローみたいな女になりたい | 徳勝 有紀 (福岡県) |
夢の戸はあけてあります月の出る夜にはいつも君を待ちます | 清水 薫 (北海道) |
つかまえた貴方はわたしと帰るのよスノードームのなかのお家に | 笠原 真由美 (長野県) |
どうすればあなたの心の真ん中に届くのかしら白い秋桜 | 川口 香 (兵庫県) |
冬景色どこもかしこも白いけどあなたを想うと色づきはじめる | 福原 和花 (北海道) |
四分音符一つ一つの音の粒君が鳴らせば宝石の粒 | 伊森 千華 (和歌山県) |
君となら埋もれてもいいどこまでも続く気のするコスモスロード | 森口 かな江 (福井県) |
棚の上「取ってあげる」と触れた手に届かないのは本ではなくて | 上原 夏海 (沖縄県) |
一人だと左の肩を濡らさずに傘を差してる信号の赤 | 山内 佑美 (福島県) |
すきなんだ想いと共にのりこんだこの列車にはブレーキがない | 倉井 冴 (三重県) |
海をこえ働きたいと告げた時君の一言ついて行くよと | 瀧内 悠翔 (三重県) |
臆病な私とはもうお別れだ君呼びとめる声がふるえた | 生田 鈴華 (福井県) |
駅で待つ会えるかななんて思うけど来るのはいつもつめたい電車 | 天笠 なな華 (群馬県) |
自転車で雨の日届けたラブレター雨と涙で紙がやぶれた | 中野 覚志 (群馬県) |
真夜中の布団の中で思い出す文庫本を閉じる指先 | 関口 あかね (群馬県) |
今年こそぼくを連れ去ってくれないか檸檬の香り君がまた来る | 小玉 理史 (静岡県) |
発車ベル夏のホームのまん中で突然歪んだあなたの笑顔 | 丸児 京輔 (愛媛県) |
玩ぶコーヒーの缶冷えて行く君は来ないと知ってる公園 | 和泉 翔 (新潟県) |
朝もやに霞むあなたを追いかけて急ぐペダルに力を込めて | 國友 真帆 (福岡県) |
この老いに「恋うた募集」とはされど月冴ゆる夜は征きし君顕つ | 岸本 節子 (福井県) |
波の華初めて見たと言う君の白い吐息をふさぐ口づけ | 原田 優美子 (石川県) |
カレンダー汚れゆくなりデート日が君の都合で幾度もずれて | 畑中 秀一 (大阪府) |
捜してる時は必ず見つからぬなくした鍵のような恋だね | 酒井 具視 (東京都) |
写メールに大きな鱸釣り上げてはみ出しそうな君の笑顔が | 玉田 珠明 (東京都) |
ステージで輝く君の銀の弦奏でてほしいよわたしだけに | 吉村 碧 (福井県) |
福井県立武生商業高等学校 |
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東京学館新潟高等学校 |
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高崎商科大学附属高等学校 静岡県立富岳館高等学校 兵庫県立農業高等学校 |