一房のラピスラズリの葡萄(ぶどう)下げきみに寄り添う青い秋の夜 | 多賀谷 朋子 (24) |
ゆっくりとゆっくり光を溜め込んで黄水仙咲く君帰る朝 | 松浦 わか子 (50) |
青山椒くちびるに当て君が掌に渡せばツンと想いは届く | 畑中 冬霞子 (67) |
もう一度会えたらいいとないてます。私がでなく、カナリアがです。 | 山中 千瀬 (17) |
心臓が檸檬のように搾られるふいに瞳と瞳があったときには | 殿迫 千穂 (17) |
好きですの答えはださず五十年時効ですかと日傘くるくる | 永野 鈴子 (71) |
携帯を両手に持って君にかける幼馴染から変わる今日の日 | 藤原 健太郎 (18) |
胸の中おまけの付いた菓子箱を開ける音する君想うとき | 廣島 千穂 (35) |
入れものがないので唇でうける愛気体となってもいいような朝 | 重川 美鈴 (38) |
受け止めてなんて言えない夜空背に描くは弧だけ軋む鞦韆 | 城山 結花 (18) |
言わせたい「逢おうか」じゃなく「逢いたい」と愛を欲張る五年目の夏 | 大岸 ひとみ (38) |
制服の君からの手紙読み返す珈琲の砂糖一つ増やして | 中野 森 (23) |
三日目の午前様なる君を待ちサラダボールの乾いたレタス | 今田 紗江 (40) |
逢ふことも儘にならねば恋しくて紙飛行機を真夜にとばせり | 篠原 和子 (70) |
東京学館新潟高等学校 |
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長崎県立長崎工業高等学校 |
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兵庫県立姫路西高等学校 三重県立宇治山田高等学校 福岡県立東鷹高等学校 |