
| あなたからイルカの指環おくられて私の夏は予約されてる | 麻倉 遥 (京都府) |
| あったかいココア一杯飲んでけよ雨に濡れてるブルージーンズ | 柴崎 喜弘 (埼玉県) |
| 芝原に座して花火を待ちいれば川の匂いとなりゆく君は | 西岡 徳江 (アメリカ) |
| 独り言ち「オトコゴコロ」と言ってみる舌かむレンアイ若葉のマーク | 園 悠莉 (大阪府) |
| またもとの静かな自分にもどるまで雨に濡れてる青きアジサイ | ダンバー 悦子 (アメリカ) |
| 繊細にキャベツをきざむ君の手を待ち続けてる空っぽの皿 | 高木 道子 (千葉県) |
| 誕生日ざんざん降りのあとに虹空ごと切り抜き君にあげたい | 阿久津 眞奈 (山梨県) |
| 「年下じゃいけませんか」と問う君の腕の力よ夕立の中 | 碧川 まり (千葉県) |
| 君の手はレンズのようにわが肩に春の微熱を集めはじめる | 伯谷 都志惠 (大阪府) |
| 割り切れないどうして僕は捨てられた四捨五入する君への想い | 中川 ノア (北海道) |
| えりちゃんに渡してくれよこの手紙見るな破るな絶対落とすな | 小山 剛 (東京都) |
| 隠れてる音符を探す手のように私の髪を梳いてください | 古賀 由美子 (佐賀県) |
| 焼き上げたガトーショコラの香は甘く齧ればほろり君に会いたい | 出倉 未来 (福井県) |
| まっすぐにアクセルを踏む8号線青あおあお!と君の家まで | 加藤 啓子 (福井県) |
| 制服のズボンの中で丸まった渡すつもりの君への手紙 | 稲葉 修也 (茨城県) |
| 三年間欠席遅刻何も無し生徒指導無し恋人も無し | 西川 和慶 (広島県) |
| 君の背と同じくらいと気がついて寄り添ってみる向日葵の陰 | 岩田 和佳奈 (埼玉県) |
| 喫茶「風」入って右の窓際の十九の<夏>を待ち伏せた席 | 仲村 一郎 (神奈川県) |
| みだれゆく黒髪もない構わないベリーショートが彼の好みだから | 中村 安梨 (宮城県) |
| 「義理チョコ」とふざけて渡すこの想い二月の痩せた月だけが知る | 西森 奈々絵 (石川県) |
| 人混みに君を探してジャンプすれば二人の弁当も飛び上がった朝 | 池谷 秀雄 (千葉県) |
| 夕ぐれにヘッドライトをつけるごとためらいつつ今君に恋する | 梅谷 拓宣 (静岡県) |
| 手をからめ呼吸の判るその距離で眺めてる海金色の海 | 並里 美尚 (沖縄県) |
| 君のむくリンゴの皮がとぎれたら二人の恋が終る気がした | 阿部 淳耶 (新潟県) |
| 聴こえてる?君が回したオルゴール錆びた私を動かしていた | 阿部 佳苗 (新潟県) |
| 白線を越えては駄目よ近すぎるチヨコレイトがポッケで溶けた | 鈴木 茉莉 (静岡県) |
| きみのくれた缶コーヒーは熱すぎて友じゃつらいと想う冬晴 | 山田 聖規 (兵庫県) |
| 多年草ばかり窓辺に飾りたり逝きしひとりをながく想えば | クリシュナ智子 (アメリカ) |
| 記念写真あなたに一歩近づけず虚しい右手ピースに変える | 藤 かほる (熊本県) |
| 指先をむらさき色にそめながら巨峰のいくつ君にむきたり | 旭 千代 (千葉県) |
| ポッコンとフルーツガムのふた外し君の心に春の陽こぼす | 加藤 三知乎 (福岡県) |
| 年上の君はいつでも論理的一点透視法の恋をする | 中野 森 (東京都) |
| 気にするな今来たところと君は言う氷の溶けたコーヒーひとつ | 石丸 佳那 (兵庫県) |
| 髪型が君に会えない時ばかりキマってしまう星に産まれた | 清水 瑛伍 (東京都) |
| 三度目の「あのね」の後の沈黙に心の中で頑張れと言う | 林 さゆり (宮崎県) |
| 仕事場に君いない日の脳細胞秋のひかりに融けてしまえり | 石崎 幸子 (山形県) |
| 風よけと君が笑って前に立つ信号待ちの一分が好き | 甲木 千絵 (大阪府) |
| 平行線交わるくらい遠くまで君と歩いて行くんだろうな | 松本 小永子 (東京都) |
| 太陽よ晴れろ晴れろとアパートのベランダに干す君のTシャツ | 円谷 アンナ (秋田県) |
| 明け方の朝日に乗って君んちに着地したいと思う日々です | 利根川 凜 (北海道) |
| 夏空へあなたに飛ばしたメッセージ虹をつたってあなたに届け | 結城 彩花 (宮城県) |
| 「五分でもいいから逢いに来てほしい」左脳にふるふる直流はしれり | 堀口 岬 (石川県) |
| 君のそば近付くほどに溶けてゆく私の心のイカロスの羽 | 野中 亜依 (福島県) |
| 誕生日君からもらった白いペン描こう五線に弾む旋律(メロディー) | 四 葉 (沖縄県) |
| 繋ないだ手ギュッと握って「流れ星!」動体視力は君が勝ってる | 上木 結 (北海道) |
| 君に名を初めて呼ばれたその日から毎日増える私の特別 | 板橋 菜穂 (山口県) |
| 雪の夜の幽かに門扉の軋みたり君かとストーブの火を太くする | 高瀬 寿美江 (岐阜県) |
| 沿線にうすべにの合歓あふれ咲きあなたの待ちゐる駅へ近づく | 竹村 冨士子 (京都府) |
| コーヒーの砂糖とミルクの割合は貴方と私の愛の割合 | 谷口 明絵 (福井県) |
| 製図の線引きつつ愛の隠れ線補助線こころで引いている春 | 犬山 天将 (長崎県) |
| 手の中のビー玉に映る君の顔この坂道を転がしてみる | 山田 絢野 (埼玉県) |
| 心にはあなたを想う部屋があり古酒(クース)のごとき熟成を待つ | 仲間 節子 (沖縄県) |
| あのお店その歩道橋このベンチ君と二人で街中制覇 | 赤間 さゆり (北海道) |
| セルリアンブルーの空が好きというあなたを想い窓磨く午後 | 加藤 ゆみ子 (神奈川県) |
| 寒天のぷるぷる冷えるを待つ深夜まだ来ぬ電話に耳をすまして | 野津 智子 (福岡県) |
| めいっぱい愛の言葉を浴びた夜バスタブの中で人魚が泳ぐ | 樋口 美帆 (新潟県) |
| 香ばしいキリマンジャロが包み込む第2土曜日君がいる朝 | 藤田 晴子 (愛媛県) |
| しゃくしゃくと落ち葉踏み分け歩く道あと一ミリが遠い君の手 | 竹村 礼代 (東京都) |
| 数学の公式ですら出せませんわたしの中のきみの面積 | 西野 玲生 (福井県) |

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